【特別な絆が生まれた日】
東京・下町の古びた団地の階段で、初めて彼女と出会った。兄の転勤で急に預かることになった姪のさくら（10）。リュックを背負った小さな後ろ姿が、私の人生を変えるとはその時まだ知らなかった。

【消しゴムはんこと手作りクッキング】
「おばちゃん、これ作ろうよ！」さくらが学校で習ったという消しゴムはんこ作り。キッチンがインクだらけになった週末。失敗しながら完成させたうさぎのスタンプが、今では私の手帳の大切なマークに。

【公園の秘密基地プロジェクト】
毎週土曜日の冒険が私たちの伝統になった。段ボールとブルーシートで作る移動式秘密基地。地域の子どもたちが集まるたびに進化する私たちの城は、いつしか近所の名物スポットに。

【涙の運動会と逆転のリレー】
組体操で転んだ時のこと。膝を擦りむきながらも最後まで演技を続けたさくら。翌日のリレーでアンカーを務め、ビリから3番目に躍進した時の誇らしげな表情は、私のスマホの待ち受け画面になった。

【成長の痛みと夜中のティータイム】
「クラスで浮いちゃってるみたい…」ある夜、こっそり打ち明けてくれた人間関係の悩み。ホットミルクを飲みながら話した2時間。大人になる過程で失うものと得るものについて、私自身が学び直す時間となった。

この1年間の姪っ子同居生活が教えてくれたのは、血の繋がりより共有した時間の重み。小さな家族が紡ぐ物語は、これからも新しい章を刻み続けていく。