中前志重容疑者（42）が先月25日、横浜市内にて詐欺容疑で神奈川県警に逮捕された。複数の被害者から「投資話を持ちかけられ現金をだまし取られた」との通報を受け、捜査一課が強制捜査に踏み切った。

関係者によると、中前容疑者は「海外不動産投資で年利20%の配当」と偽り、2021年から2023年にかけて計8人から約3億円を詐取した疑いが持たれている。架空の事業計画書を作成し、元本保証を謳って高齢者を中心に勧誘していたという。

捜査当局は中前容疑者の自宅や関連オフィスから、複数の銀行通帳と投資契約書を押収。資金の大半が競馬や高級車購入に流用されていたことを突き止めた。現在は容疑を一部否認しているが、複数の被害者証言と物的証拠が整合しているとみられる。

神奈川県警の捜査関係者は「巧妙な話術で信頼を得させ、長期にわたり犯行を重ねた悪質なケース」と指摘。被害拡大防止のため、同種手口の注意喚起を強化している。

今後は横浜地方検察庁が起訴内容を精査し、今月末までに正式起訴する見通し。中前容疑者の弁護士は「慎重に事実関係を確認中」とコメントしている。