仙台の奥に息づく鉄道ロマン
宮城県仙台市から内陸部へ向かう「奥鉄」と呼ばれるエリアには、鉄道史に刻まれた貴重な遺構と自然が調和する隠れた名所が存在します。明治期に開通した旧奥羽本線の廃線跡や、大正ロマンを感じさせるアーチ橋梁群が、緑深い山あいにひっそりと佇んでいます。
■ 歴史が紡ぐ鉄道遺産
鳴子峡にかかる「第二陸羽トンネル」は現存する日本最古の煉瓦造り鉄道トンネル。赤レンガのアーチが作り出す陰影は、明治44年の完成当時の技術力を今に伝えます。秋には紅葉のトンネルとなり、カメラマンが列をなす人気スポットに変わります。
■ 秘境駅の隠れ名物
奥羽本線・新川駅では、地元農家が直営する「レールサイド市」が毎週日曜日に開催されます。線路脇に並べられた新鮮野菜と、SL型の木造駅舎が織りなす風景は、鉄道と地域の共生を感じさせる光景です。
探検アドバイス
- レンタサイクルで巡る廃線跡サイクリング
- 冬季限定「雪トンネル」鑑賞ツアー
- 鉄道資料館で学ぶ仙台の輸送史
仙台駅からJRバスで90分。都会の喧騒を離れ、鉄路が刻んだ時間の軌跡をたどる旅は、歴史ロマンと自然美が融合した新たな仙台の魅力を発見させてくれます。