滋賀県における「立ちんぼ」と呼ばれる路上性風俗の実態が近年注目を集めています。大津市の繁華街や草津駅周辺では、夜間になると特定の路上で女性が客引きを行う光景が確認されており、地域住民からは安全面への懸念が多数寄せられています。
この現象が顕在化した背景には、2020年以降の風俗営業法改正の影響が指摘されています。店舗型風俗店の規制強化により、路上での個人営業に移行するケースが増加。特に地方都市では、SNSを活用した「出会い系」との境界が曖昧な新たな形態が台頭しています。
滋賀県警のデータによると、2023年に路上勧誘で検挙された件数は前年比17%増の142件。しかし実際には摘発が困難なケースが多く、未成年者を巻き込んだ事件も発生しています。地元商店街では防犯カメラの増設や青色防犯パトロールを強化するなど、官民連携の対策が進められつつあります。
社会学者の分析では、コロナ禍の経済影響とインバウンド需要の変化が複合的に作用していると指摘。観光地としてのイメージ維持を図る自治体と、生計を立てる個人の狭間で、現代社会が抱える根本的な課題が浮き彫りになっています。
今後の解決策として、若年層向けの就労支援プログラムの拡充や、匿名相談窓口の設置が提案されています。地域の特性を考慮した持続可能な対策が求められる中、滋賀県が観光立県と住民の安全を両立させる道筋が注目されています。